困惑していた。
ホテルにチェックイン後に一息つき17時半から宴を始めて早くも2軒が終わってしまっていたのだ。時間は19時すぎ。一つ前の店、大安で焼酎を4合ほどしこたま飲んでしまい、やや酒は回っているものの、この時間でホテルに戻ることは即ち負けを意味しているのだ。
何処かに入りたい。
とは言っても、ここは南九州一の繁華街、天文館である。星の数ほどの数多の飲食店が軒を連ねている。どこに入るべきか逡巡していてしまう。

大抵の繁華街にはありそうな銀座通りをうろちょろする。
そんな中で門をくぐったのは別の小道にある立ち飲み「マカロニ少年」だった。

画像右側で見切れてしまっているが、面白い名前のお酒が揃っている。
せっかくなので、一番上に書いてある「未完成レモンサワー」を頼むことにしよう。

少し甘めのレモンサワーを、強炭酸の泡が容赦なく口の中に叩き込んでくる。甘めなものよりはドライ系のほうが好みではあるが、炭酸が強いので比較的飲みやすく感じる。こういう味わいも悪くない。
飲んでるだけだと申し訳ないので、ツマミを頼む。壁掛けのメニューと書いてあり、今日は鯵の燻製とのこと。一見検討がつかず、どういうものかまるでわからなかったが、これもまた経験ということで、それを1つ頼むことにした。


――確かにタルタル最中を頼んだし、今日の中身が鯵の燻製だということも理解した。それをわかったうえでの注文だったのだが、あまりにもその通り過ぎて「へぇぇぇぇ」と素っ頓狂な声しか出なかった。
それでもせっかく頼んだのだから、食べないわけにはいかない。
「へぇぇぇぇ」
同じ声にも見えるだろうが、こちらは感嘆の声である。タルタルソースと鯵がまとった薫香が実に合うのだ。最中のサックリ感と、鯵のしっとり感の違いもまた面白い。
勢いのまま2杯めを頼む。

麹米に雄町米を使った櫻井酒造の「おまち桜井」。芋焼酎ではあるのだが、思いの外フルーティに仕上がっており、ここでも些かいい意味で面食らう。
自分の左側に陣取った男性はさっと1杯飲んで、すっと店をあとにしていた。やはり立ち飲み屋でだらだらと長居するものではない。この1杯で自分も切り上げ、店をあとにした。大変いい体験になりました、ありがとうございました。
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