旅行けば千鳥足

北に美味い魚あれば冬に行き、南の焼酎飲みたさに帰省をし、西の良い居酒屋の噂を聞けばしこたま飲み食いをする。そういう人に私はなりたい

【ソトノミログ】新橋駅前ビルで酒となれあう

新橋で酒によりかかる、ほんの前

この日はいつにもまして打ち合わせの多い一日だった。正直自分が出席する意味がない打ち合わせもあった。
仕事をする中で大事なのは、「長く」取り組むことだと思っている。
空いた時間でちょこちょこやっていては、スピードに乗ることができない。溜めて溜めて……解放してからのスピード感が大事なのだ。
言い訳がましく聞こえるが、文章と数字に向き合うにはその時間が侮れないのは事実である。

おかげで何だかふわふわした一日だった。
こんな日に遅くまで仕事をしていても波に乗れないまま、結局進まずというのは眼に見えている。

さっさと切り上げて、電車に飛び乗った。
向かうはお隣新橋駅の新橋駅前ビルである。

1軒目:立ち飲み吟

浅草線へ向かう途中にある。名前の通り立ち飲み。一見狭そうに感じるが、入り口の裏側の奥まったところにもスペースがあるので、ぱっと見人が多くても覗いてみることを勧める。

つまみはカウンターから自分で選び、飲み物は店員さんにお願いする。

いままでチューハイを好んで飲んでいたが、最近はハイボールがメイン。酎ハイよりもハイボールのほうが濃く感じる。これで1,220円。酒が370円で漬物が350ぐらいだった気がする。チャーシューは500円ぐらいだろうか。

カウンターのお品書きにはハイボールとしか書いていないが、おそらくはデュワーズなんだろう。デュワーズもだし、ティーチャーズもそうなんだが、個人的には甘苦く感じてしまう。自ら頼むことはあまりない。が、前にも書いたようにここのハイボールはチューハイよりは明らかに濃い。

 今の自分が欲しているものは何か。――酒である。
 どのような酒か。――意識を靄をかけるような酒である。

そこまで馬鹿みたいに濃いハイボールではない。もしかすると普通の濃さかもしれない。が、今の自分にはこの味が、この濃さが逆にいい。

2杯目はダイヤメ。この焼酎もよく見かけるようになった。近所のスーパーでも常連面だ。ダイヤメは鹿児島の方言で「晩酌をして疲れをいやす」という意味だ。ダレ(疲れ)をヤメると考えると意味が分かるのではないだろうか。ソーダ割にしたが、飲もうとした瞬間圧倒的なライチ香が押し寄せて、危うくむせ返すところだった。調べてみると、醸造元独自の「香熟芋」を熟成させたものを使っているだそうだ。鹿児島出身ではあるが、全然知らなかった。

googleのサジェストで「ダイヤメ まずい」と会ったが、おおよそ芋焼酎の感じで行ってしまうといい意味でも悪い意味でも拍子抜けしてしまうからだろうか。

個人的に好きな味だった。

2軒目:立ち飲み庫裏

1軒目は2杯で切り上げて次の店。ここも長い間世話になっている。色々な日本酒を1杯から頼める。正直一杯いっぱいは安くはないが、一人でいろいろ飲みたい人にはちょうどいい。新橋駅前ビルには庫裏の名を冠する店は2か所。地下1階と地上1階にある。地下1階のほうが広いため、遅い時間でも入れたりする。ここはカウンターと軒先のテーブルのみ。金曜の夜は異常なほどにぎわう。

 

ここで飲んだのは右の「北安大國(ほくあんだいこく) 純米酒 七十」。
左は失念。画像検索すると「噴井(ふきい)純米吟醸 花火」だろうと出たが分からず。
みみっちくて恐縮だが、以前と比べてグラスのサイズが小さくなった気がする。
それが理由かは分からないが、いまいち波に乗れない。
味も何だかわからない。
結局2杯で切り上げる。1品つまんで900円。

3軒目:信州おさけ村

名前の通り、長野の酒を幅広く扱っている。日本酒以外にもワインやビール、ウイスキーもあったはずである。ここはいつ行っても混んでいる。加えて、外にテーブルがあるものの、客が団子に固まって飲んでいるせいか、十分使われていない気がするのも一因。今回は運よく店内のレジ近くのテーブルが開いていたのでそこに陣取る。

 

1杯目は左の濁り酒、川中島の純米にごり。2杯目は御湖鶴辛口純米。

濁り酒は少し刺々しく感じるものの、クリーミーで厚みがあるように思う。時折米の粒を感じることができる。

御湖鶴は乳酸菌由来かはわからないが、酸味が心地いい。すっきりしたのもいいが、これのように野趣を感じるのも一興である。つまみには野沢菜のワサビ風味にしたが、これがまた辛い。辛口純米と言いタッグだったように思える。

ここでは1,200円ぐらいだった気がする。平日にしてははしごし過ぎた気がするが一つの店ではそこまで飲んでいないので、まあいいか。