若い頃からひとり遊びが得意だった気がする。
それは積極的にひとり遊びをするわけではなくて、おそらく消極的にやっていることなんだろうと思っている。部屋にこもってじっと本を読んでいるのも、それはそれで嫌いじゃあないけれども、そこまで集中力があるわけではないから、何かをしていた記憶がある。
大学に入ってからはそれが顕著になった。
大学に友達はいなかったし、バイトも躊躇していた。いくら学校と家の往復をしたところでたかが知れている。だからよく一人カラオケにいった。家の近所にフリータイム1,000円ぐらいの店があったから、結構行っていた。それこそ朝から晩まで、ひたすらに歌っていた。
流石に毎日通い詰めるわけにもいかないので、散歩したりだとか料理に没頭したりだとか、いろいろやった。
働きだして懐にも余裕が出てきた。1週間ぐらいひたすらに電車に乗り、ひたすらに酒を飲む。これもつまるところはひとり遊びだ。
いつしか一人カラオケも行かなくなった。最近はもっぱら酒と旅行、あとは美術館。
共通点は……多分現実との隔絶・断絶なんじゃないかと思う。
現実からはなんとなく距離を起きたくて、それらに没頭する。
これを書きながら、ハイボールを飲んでいる。
今もまた、ひとり遊びは続いているのだ。